あまねく人にイノベーションを!
こんにちは。

昨晩は、尼崎商工会議所「起創会」7月例会でした。
「起創会」は、尼崎商工会議所さん主催創業塾の卒塾生を中心とした会で、私も昨年からアドバイザーをさせていただいています。
6月例会では、ビジネスモデルキャンバス を使っての「強制オープンイノベーション」にチャレンジしていただき、
①構造化
②想定外の要素の投げ入れ
③再構造化
というイノベーションのプロセスを、短時間でミニ体験していただきました。
上記①〜③のプロセスは一見シンプルですがとても強力、企業・事業の継続・成長にとって、ベースのひとつとなるようなものです。

今回は、前回になぞらえて言うと、「強制ソリューション共創」とも言えましょうか。

ビジネスモデルの核は、ご存知のとおり、価値提案(Value Proposition:VP)と言えましょう。
ビジネスモデルは「システム」、そしてビジネスモデルキャンバスは、ある意味そのシステムのループ図(システム思考の代表的ツール)を簡単に描くことができる優れものとも言えます。
システムには、「ココ!」というレバレッジポイントが幾つかありますが、ビジネスモデルというシステムにおいては、VPがその代表格というか共通項とも言えるでしょう。

かのクレイトン・クリステンセン大先生の盟友とも言えるマーク・ジョンソン氏も著書でこのように唱えています。

また、5月にガッツリ学びを得たハイス・ファン・ウルフェン師(FORTHイノベーションメソッド開発者)も、合宿で下記のとおりイノベーションに必要不可欠な3つの要件を示し、顧客のフリクション(不満・不安・痛み)に紐づいたVPの必要性を強調なさっていました。

では、どうすればいいのか?
その有効な手段として挙げられるのが、インタビューです。
インタビューを通じて、表面的なニーズではなく、その奥へ奥へと深く分入っていく。

「原因としての問題」の構造化ですね。
表面的な問題だけに着目しても、出てくるソリューションは対症療法におわりがち。

そして、時にはユーザー自身すら明確に意識していないジョブやフリクションを浮かびあがらせ、それを構造化、その上で、提案価値をデザインしていく。

ということで、今回は、メンバーのみなさんに、上記の一連のプロセスを体験していただきました。

インタビューというと、何やら難しそうですが(確かに慣れるまではとっつきづらい面はあるでしょうが)、別にインタビューやユーザー調査のプロになる必要はなく、適切なツールを効果的に使う等少し工夫して、「半構造化」すれば、一般の方でも十分取り組むことは可能です(そもそも、私自身も素人と言っていいです)。

一つ目の工夫はこれの活用、

バリュープロポジションキャンバス(VPC)の右半分、カスタマーマップですね。
要は、インタビューを通じて得たい情報は、ここにある「Jobs/Pain/Gain」の3つ(これにSituationを加えると4つになりますが)であるということを予めきちんと頭に入れておくだけで、インタビューに方向性をつけやすくなります。

二つ目の工夫は、「問い」自体も半構造化すること。
インタビューで最も難しく感じるのは、「どういう質問をしたらいいか」ということでしょう。
これも、ある程度は類型化できます。しかも、それらは、一部(取っ掛かり部分)を除けば、共通点が多いようです。そこをおさえてしまう。
別にインタビューやユーザー調査のプロになる必要はないのです。
例えば、こんな感じ。

さすがにボカしています。ご理解のほどを 😉

以上の二つの工夫で、早速ご参加いただいた方にチャレンジしていただきました。

ペアになっていただき、ある共通のテーマで「半構造化インタビュー」で、ソリューションを生み出すための前提となる情報をしっかりと引き出していきます。

それを、カスタマーマップを使い構造化、さらに、フリクションマップを使い、もう一段構造化。

このフリクションマップは、FORTHイノベーションメソッドで使われているもの、非常に強力です。

その上で、グループみんなの力で、ソリューションのタネを出していく。
ここでのPointは、一般的な「ワイがや」のブレーンストーミングをしないこと(これについての詳細はまた機会があれば)。

はっきり言って、結構ハイレベルなことにチャレンジしていただいたと思います。
が、そこはさすがに起創会のみなさん、慣れない中とまどいながらも、しっかりとアイデア出しまでたった2時間で到達されました!

今回同様のコンテンツは、今年のdラボ関連創業塾・創業スクールのうち、可能なものについては何らかの形で組み込んでいきたいと思っています。
今のところ、dラボ自主開催スクール(詳しくはこちら)、そして、尼崎商工会議所さん主催創業塾を対象として考えています(篠山イノベーターズスクールでも進行状況次第ではある程度取り組む可能性)。
あと、もちろん、「BMIA認定コンサルタント養成講座(基礎)in Osaka」でも。

「強い・しっかりしたビジネス」を創りたい方、その応援をなさりたい方は、これらへのご参加をご検討ください。

それでは。