あまねく人にイノベーションを!
こんにちは。
この画像は、昨秋、さる地区での創業スクールを受講いただいた方とご一緒につい最近描いた、ビジネスモデルキャンバスです。
*例によって付せんははボカしていますが、プロセスは十分つかんでいただけると思いますので、ご了解のほどお願いいたします。
クラフト分野の、さる魅力的な技法を高いレベルで習得なさっている方ですが、事業化にあたっては、その技法を提供するor作品を販売するという従来よく見られたシンプルなビジネスモデルだけでは、ご本人の“ならでは”も着眼点の素晴らしさも活かしきれず、創業スクール終了後も、ご自分でビジネスモデルキャンバス(BMC)を描き、別のお仕事もされながらそれに基づき行動し、その行動の中で得た発見や成果を、またBMCに盛り込み…というサイクルを何度も回し、一歩一歩前進していらっしゃいます。
で、そのポイントどころでお会いさせていただき、ご一緒に今後の方向性を示すBMCを描き、当面のアクションシナリオの設定をお手伝いさせていただいています。
今回もその一環です。
創業スクール修了直後は、なんとなく輪郭は感じられるものの、まだボワっと感は否めませんでしたが、お会いさせていただく度に、明らかに輪郭もクリアに、かつ、ご本人らしいエッジが感じられるものへと、確実に進化なさっています。
今回は、特にそのことが感じられました。本当に、頭が下がる思いです。
こちらが、ここまで一歩ずつ進んで来られた結果としての現在のビジネスモデルです。
このビジネスモデルで動く中で得られた最大の成果は、なんといっても、現場でお客さんを観察する中で得られた学びでした。結果、このビジネスモデルを当面のバックエンドとして設定してもいいと判断しました。
ただ、フロントエンドの弱さは否めず、その点をどうするかが課題と考えられましたが、そのタネと可能性となりうるものも、ご本人は実際に行動する中で、得られていました。
で、それをもとに、フロントエンド部分をONしたBMCがこれです。
もちろん、ONした部分は仮説ですので、その仮説の検証も含めた具体的アクション項目を設定しました。
また、バックエンドがひとつでは持続可能性(収益性)という点では弱いことから、これまたご本人が行動の中で他の方からいただいたヒントをもとに、もう1ラインONすることとなりました。
で、こんな感じになりました。1枚だけある赤い付せんは…ご本人が近未来、ぜひ実現したいと強く願っているサービスです。ただ、そこへいきなり到達するのはさすがに困難、でも、一歩ずつ近づいていっている様子がBMC上からも感じとれます。
もちろん、この部分についても、アクション項目を設定しました。
まずは今回設定したアクションシナリオに基づいて活動していただく中で、想定する顧客層(とりわけ緑ふせん部分)の状況を観察していただき、その上で、(緑ふせん部分の)バリュープロポジションデザインへと進んでいただく予定です。
新たな価値を創造する新しいビジネスは、事業規模にかかわらず、手探りで模索しながらの前進になります。それが、創業の場合は、なおさらです。まるで方程式のような理性的アプローチでは、到底実現できません。
かといって、徒手空拳でいきあたりばったりで、やみくもに突進しても、時間もお金も無駄撃ちとなるリスクは高くなります。
最も危険なのは…しっかりとしたビジネスの構造をデザインすることなく、一般的なフォーマットをまとわせて、それらしいビジネスプラン(事業計画)としてまとめて資金調達をし、投資もしてしまうことでしょう。
ビジネスモデルキャンバスも、最初にパパッと描いてよしとするのではなく、仮説−検証を繰り返す中で何度も描き、かつ、そこに時間軸を組み入れた動的なものとして進化をデザインしていくことが望まれます。
まさに…粘土をこねて、ロクロをまわしていく造形活動です。
今、創業を支援する支援機関・支援者側に求められている役割が、その「造形活動の旅」のガイド役でしょう。
え?「ただでさえ忙しいのに、そんな手間のかかること、やってられない」って?
いえいえ、そんなことはないです 😉
それにつきましては、また別の機会に。
このビジネスを“創る”プロセス、もっともっと広めなければ!
それでは。
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