あまねく人にイノベーションを!
こんにちは。

下記は、昨年、某地域の創業スクールを受講いただいた方とご一緒に描いたビジネスモデルキャンバス です。

ここまでの出だし、および画像の様子では、一見、昨日ご紹介した事例と同じような事例?と思われるかもしれませんが…実は、だいぶ違うんです 😉 

ご本人はこの度、ご縁があって、さる企業さんとのコラボで、物販系のショップをオープンなさることになりました。🎉
販売するアイテムのカテゴリーは決まってはいるものの、あらゆるモノ・サービスがあふれコモディティ化している今、やはり、これまでにはない新たな価値を創造・実現する、ニューコンセプトのショップでないと、そこそこ売上は上がったとしても、結局は激しい価格競争に巻き込まれる恐れは高く、「では、どうしたらいいの?」ということで、ビジネスモデルキャンバスを間において、ご一緒に、「あーでもない、こーでもない」と揉んでいきました。

結果、アイテム販売部分のビジネスモデルと、顧客と共に共創する部分のビジネスモデルとが連結するビジネスモデルが浮かび上がりました。
そのプロセスは…う〜ん、言葉ではなかなかうまく説明できない…^^;

まさに、まるで粘土をこねながら、ご一緒に創発していく感覚…
ご本人がお持ちのリソース、それにコラボ先のリソース、それと、想定するお客さんの生活シーン・嗜好を、かけあわせるというより、キャッチボールさせながら、足りないリソースが出てきたら、「じゃあどうする」と考える…
そうすると、今度は、それを解決するCR(顧客との関係)やCH(チャネル)に関するアイデアがわいてきたり(KRではなく)、そのアイデアをペタッとしたら、今度は、新たなCS(顧客セグメント)が浮かんできたり、KP(キーパートナー)が思いついたり…
まるで、キャンバス上の9つのブロック間で、キャッチボールしている感覚

で、何度もふせんを動かしたり貼りかえたりしているうちに…結果として、このカタチになっていたという感じです。
全体を俯瞰しながら構造をデザインするビジネスモデルキャンバス ならではの感覚を味わいました。

事業の構造を考えるアプローチには、大別すると二種類あります。

●事業を、「調達・生産」「マーケティング(or販売)」「組織・人事」「財務」といった要素に一旦分解し(それぞれの中でもさらに細分化)、それぞれの要素ごとに最適化を図るジグソーパズル型
●全体を俯瞰しつつ、それぞれの要素の内容のみならず、むしろ要素間の関係性に着目しながら全体最適を図るルービックキューブ型
の二つです。

事業環境が比較的安定していた時代には、前者のアプローチが主で、一般的でした。
しかし、今は、後者のアプローチが求められるシーンが主となっています。
創業・新事業といったシーンにおいては、特にその傾向が顕著です。

<ちょっと脱線>
創業塾・スクールのカリキュラムの構築スタイルにも、上記の二つの分類があてはまると思います
●第1講は経営、第2講はマーケティング、第3講は組織・人事、第4講は財務というように、各講毎に要素特化し、講師・コンテンツもそれぞれに特化したものとする伝統的なやり方が前者のジグソーパズル型、
これに対し、
●第1講から最終講までの最適な全体ストーリーをはじめに設定し、そのストーリーに沿って各回のテーマを配置、各要素を常に連動させ全体最適を図りながら(行ったり来たりもある)進行させていくやり方が、後者のルービックキューブ型
と言えるかと思います。
まあ実務的には、今はまだ各種公的要件・規定もあって、ルービックキューブ型の中に、ジグソーパズル型を埋め込むという折衷型のカリキュラム設計とせざるをえない事情がありますが…^^;

ちょっと脱線しましたが…
今回のデザインは、ビジネスモデルキャンバスが、ルービックキューブ型アプローチを強力にサポートするものであったこそ、浮かばせることができたものと言えるでしょう。
もちろん、例によってこれは仮説A案、今後行動の中で検証し、どんどん修正をしていかなくてはいけないですが(時にはPIVOT–方向転換も)、その際も、ルービックキューブ型のビジネスモデルキャンバスなら対応がしやすいです。

ご参考になれば幸いです。

それでは。