あまねく人にイノベーションを!
こんにちは。
ここ最近、立て続けに下記のような類似のご質問をいただきました。
●ビジネスモデルキャンバス(BMC)とバランス・スコアカード(BMC)との連結の仕方は?
●ビジネスモデルキャンバスとKPI(重要業績評価指標)管理とを関連づけられないですか?
*BSCについては、他のサイトや書籍でご確認ください。ちなみに、Wikipediaでの記述はこちら。
KPIはBSCにおいて重要な位置を占めていますので、上記の2つは、ほぼ同じご質問と考えていいでしょう。
以下は、あくまでも私・岡田個人の考えなので、あらかじめご了解ください。
結論から申し上げますと、下記2点を考えることで、自ずとその回答の概要が浮かんでくるものと思います。
1.BSCの「4つの視点」のそれぞれが、ビジネスモデルキャンバスの(各ブロックの)どの部分と関連づけられるか
2.BMC、BSCそれぞれの「本来の機能(目的)」、あるいは「生まれてきた経緯・背景」
まず1.について。
ご承知のとおり、ビジネスモデルキャンバスは、
・マーケティング(CS/VP/CH/CR)
・ヒューマンリソース(KR)
・サプライチェーン(KP/KR/KA)
・ファイナンス(C$/R$)
といった経営を構成する各マネジメントを統合した「インテグレーションマネジメント」ツール(メソッド)です。
*対応するブロックの解釈は、ケースによって変わろうかと思います。
一方、BSCの中核をなすのは、なんといっても、4つの視点、
・顧客の視点
・学習と成長の視点
・業務プロセスの視点
・財務の視点
でしょう。
はい、これでもうおわかりですよね?
この点が、BMCとBSCを連結させるにあたっての、具体的な「接点」になります。
次に、2.について。
BMCの本来の役割は、事業の構造=ビジネスモデルのデザインツール(メソッド)、すなわち「創る」、そして、その誕生の背景にあるのは、VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)という時代背景です。
統合マネジメントツールですので、もちろん、分析・解析シーンにおいても活用できますが、本来の機能は、VUCAの中で「新たな価値創造」を実現するためのクリエーション(創造)ツールとしての活用が本来の活用シーンであり、それに適した構造となっています。
一方、BSCは、その出自をたどると、「組織の業績・効率に関する評価レポート」、BMCのような「創造ツール」ではありません。すなわち、本来は、企業における諸活動の結果としての業績・効率性を示すツールであるということです。
そして、その業績・効率性を視る視点区分が、前述の4つの視点だということです。
「評価レポート」ですので、読み手が理解しやすよう、企業の諸活動が体系的に整理されているのが最大の特徴、その特徴を活用し、トップから組織末端までの全社的「方針管理」等のマネジメントに関するシーンでの活用においても、副次的効果が見込めるとされています。
はい、本来の目的・機能が、BMCとBSCとでは根本的に異なるということが、わりと容易にご理解いただけるのではないでしょうか。
目的・機能が異なるということは、補完関係が成り立つ可能性もあるということで、その接点が、先に述べたとおり「4つの視点」となりうるということです。
例えば、環境変化を考慮しての自社のビジネスモデルの進化ストーリー(全社戦略と言い換えてもいいかもしれません)をBMCでデザイン、かつDailyでUP DATEもしつつ、その実現のためのアクション項目を設定し組織全体に向け方針として展開していく(部門ごとにアクション項目をブレークダウンさせつつ)、そのマネジメント(管理・評価)をBSCで行うという連結のさせ方です。
ただし、ここで留意すべきは、この連結がロジックとしては成立しても、はたして実務的に効果的かということでしょう。
私は、少々障害となりうる点が存在していると思っています。
それについては、Part2にて。
それでは。
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