あまねく人にイノベーションを!
こんにちは。

昨日10月27日、(一社)大阪府中小企業診断協会主催(同協会「経営デザイン研究会」)
●経営デザインシート×ビジネスモデルキャンバスで、中小企業の未来をデザインするワークショップ
が開催されました。
同イベントは、「経営デザイン研究会」のキックオフに機をあわせて、大阪府診断協会主催として行われたもの、同研究会は、代表の井上朋宏さんはじめ、dラボ所縁の方々が発起人となって設立されたものです。私・岡田もその末席として、お手伝いさせていただきました。

さあ、スタートです。

総合司会は、経営デザイン研究会代表の井上朋宏さん。

福田尚好大阪府診断協会首席相談役よりご挨拶を賜り…

ひさしぶりに、“キツネ”と“サル”…聞きました 🙂 

今回のトピックは、なんと言っても、経営デザインシートを所管する内閣府知的財産戦略推進事務局からご担当の下萩原勉参事官補佐、そして、その開発の核中の核と言っていい、住田孝之 同局前局長(IIRCカウンシルメンバー、FCAJ理事、WICI会長)にわざわざご来阪いただいての開催となったことです。
こういった新しいツール、メソッドをしっかり活用するにあたっては源流の意図を正確に理解し、コトを進めるのがmust、大阪の中小企業診断士さんはじめ、多くの志レベルで共感しあえる方々に、経営デザインシートの源流に直にふれていただきたいとの思いから、日曜日ではありましたが、お二方にはご無理をお願いしました。

まずは、下萩原参事官補佐、ご登壇 🙂 

今回の企画、実は、参加受付開始後わずか4日間で当初予定の90名分が埋まってしまい、キャンセル待ちも相次いだことから泣く泣く途中で受付を終了せざるをえないという前代未聞の状況となりました。しかも、北は北海道、南は宮崎県からも、四国からも、山陰は鳥取県からも。
急遽増席し対応、当日欠席も極めて少なく、約100名の方が、会場を埋め尽くしました(かなりギューギューづめで…みなさん、ご迷惑をおかけしてすいません)。


ウィットを交えながら、とてもわかりやすいご説明。


経営デザインシートを描くにあたっての最重要ポイント、言い換えるなら、絶対外してはいけないのが、この2点ですね。

さ、ここからは私・Okadaがメイン・ファシリテーターとして、研究会メンバー・BMIAのお仲間にも手伝っていただきながらの、
●経営デザインシートwith ビジネスモデルキャンバス
で未来をデザインするプロセスをプチ体験するワークショップ。

3月19日に開催したワークショップ(詳しくはこちら→Part1Part2こちらも)でのものをさらにレベルアップ&コンパクトにまとめたものの、そのまたポイントに絞った内容のプログラムです。

描くにあたっての前提条件を共有、まずはこれ。

特に新しいツール、メソッドにおいては、定義をきっちりとブレないものにしておかないと、時間の経過や扱う人が増えるに従い、どんどんブレ幅が大きなものとなっていきます。また、イノベーティブなものであればあるほど、旧来の思考のあり方、やり方ではなかなかに対応が困難なものが多く、ともすると、思考・行動の習慣に引っ張られ、そのイノベーションがなし崩しとなってしまう恐れもあります。
経営デザインシートにおいては、
<経営デザインシートの定義>
●企業、組織の将来を構想するための思考補助ツール
と、画像中にある<経営をデザインするの定義>は、絶対にブレさせてはいけないところでしょう(いずれも内閣府資料より)。また、
<対象シーン>
・ビジネスモデルを将来のトレンドや環境変化に合わせて転換するときのブレンストーミングの際に利用(「知財のビジネス価値評価検討タスクフォース」鮫島正洋委員、2019/10/16日経Xtechより)
・同じマーケット・ビジネスモデルの中で、新機能の追加や新製品を発表するような転換態様は、原則として経営デザインシートの対象外(同委員、2019/3/11日経Xtechより)
という点も、極めて重要でしょう。

加えて、価値創造メカニズムの本質−”資源は、変換器たるビジネスモデルで価値に変換されてこそ評価できる”という点も、しっかりと正確にとらえておく必要がありますでしょう。
こうなると…その変換器たるビジネスモデルの「変換ロジック」をしっかりとデザインできるか否かは、とてもとても重要な点となってきます(特に、「これから」について)。
そして、それが経営デザインシートの普及において、ボトルネックとなる恐れが十分にあります。それを防ぐため、私たちは、”with”nnovatorの立場で、企業さんとご一緒に、その将来を“共創”していきます。

経営デザインシートを描くスタンスに関して重要なのはこれ、

「資源を洗い出し(棚卸し)精緻に分析」→「それらの因果関係を詳細に把握し」→「未来を精緻に分析して予測し」→(以下省略)というように、予め設定された工程をlinearに積み上げていくウォーターフォールではなくまず全体(Big Picture)を描いて、non linearで進めていくアジャイルで取り組むことです。
このアジャイルに関しては住田前局長も、かなり強調されていました(Part2で後述)。
ISOにイノベーションマネジメントシステムが組み入れられ(ISO56002が本年7月発行)、今後JIS規格にも入ることが予定されている今、このアジャイルなプロセスをシステムとして組織に組み入れておけるかどうかは、中小企業においてもとても大きな経営課題となることは必至です。

ISO56002発行に機をあわせて経済産業省からは
●価値創造マネジメントに関する行動指針
が公表されましたが(詳しくはこちら)、その第1項としてあげられていることは、経営デザインシートでなそうとしていることそのものと言っていいものとなっています。

どうせ経営デザインシートを活用するなら、それをイノベーションマネジメント構築のきっかけとするのが効果的ではないかとも思います。

(Part2に続く…)