あまねく人にイノベーションを!
こんにちは。

10月27日、(一社)大阪府中小企業診断協会主催(同協会「経営デザイン研究会」)
●経営デザインシート×ビジネスモデルキャンバスで、中小企業の未来をデザインするワークショップ
開催報告Part2です。

さあ、それではいよいよビジネスモデルの進化ストーリーを描いていきましょう。
私たちは、経営デザインシート簡易版においては、7つのステップを設定しています。ただし、アジャイルのプロセスですので、必ずしも「これまで」(経営デザインシート左半分)から描く必要はなく、「これから」(右半分)から描いてもいいですし、当然のことながらnon linearでいったりきたりも大いにOKとしています。
その中で、中心となるのは、Step1「現在のビジネスモデルを描く」とStep3「未来のビジネスモデルをデザインする」、この2つのステップをプチ体験していただきました。


質問の力を最大限活用し、ペタペタと描いていき、


たった2分間で、現在のビジネスモデルをプレゼンテーションします。
詳細は省きますが、このプロセスで、短時間かつ容易に、エッジのたった価値創造メカニズム(広義のビジネスモデル)を構造化することができます。もちろん、重要な経営資源(当然のことながらインタンジブル含む)も、価値への変換ロジックも容易に浮かび上がらせることが可能です。

このお二方も、ペタペタしてくださいました。

楽しそうですね♪

今回は詳細にまでは踏み込めませんでしたが…
ビジネスモデルはシステム、そのメカニズムをこういうループでとらえることができます。
そして、これを把握した後、いくつかの“問い”を自らに投げかけることにより、存在意義やビジネスモデルレベルの課題など、本質的な考察を深いレベルで行うことができます。

さあ、いよいよ発想を飛ばして、未来をデザインします。

積み上げ型の思考に慣れていると、この“発想を飛ばす”ということに対して、小さからぬ違和感を抱き、経営デザインシートの本来の力を活かせてない方が、少なからずいらっしゃるようです。その違和感はとてもよくわかるのですが…ここは絶対に妥協してはならない、全プロセス中における最重要事項ととらえていいでしょう。

ある工夫をして、経営デザインシート・テキスト(応用編)で説かれている「一旦リセット」を体感していただいた上で、未来を描く体験をしていただきました。

今回、日本青年会議所(JC)さん価値デザイン委員会の来年度メンバーの方々も参加してくださっていました。JCさんでは、今後益々積極的に経営デザインに注力なさることとなっていて、その数は目先だけでも1,000社とか2,000社といったものになるようです。
お聞きしたところ、会員企業さんは全国に35,000社あるとのこと、今回ご紹介した方法を使えば、会員間のオープンイノベーションも数多く生まれることが期待できるのではないでしょうか。また、この日は大学からの参加もありましたので(桃山学院大学さんからは、牧野学長、朴副学長揃ってご参加いただきましたし、他の大学さんからもご参加がありました)、大学との連携も増えるかもしれませんね。
ワクワクです♪

さあ、これで「これまで」と「これから」の価値創造メカニズム(広義のビジネスモデル)が描けました。
この後は、経営デザインシートの類まれなストーリーデザイン力をしっかり活用し、価値創造メカニズムの変革ストーリーを組み上げていきます。
今回はご紹介できませんでしたが、私どもは、経営デザインシートとビジネスモデル双方間の「要素対照表」をつくってありますので、このデザインもスピーディーに行うことができます。

なんとか予定の時間内でおさめることができました。
この後は、
IMPACTO大阪アカデミー(ブラジリアン柔術教室)
畑田チアゴさん
“with”nnovator池渕ゆかりさん
から、経営デザインシートを活用しての事業コンセプトの変革事例のプレゼンテーション。


お見事です!!!

ここまでの内容を受けて、経営デザインシート開発にあたって中核となられた
住田孝之 前・内閣府知財戦略推進事務局長
(IIRCカウンシルメンバー、WICI会長、FCAJ理事)
から、
●中小企業診断士に期待すること
をアツく語っていただきました。


それは、主に下記の2点でした。
1.総合診療医として統合思考のもと、経営デザインシートを活用すること
2.経営デザインシートを活用し、中小企業さん方と共に、価値を“共創”すること

加えて、描くにあたっては、積み上げ型のウォーターフォールではなくアジャイルでということを強調なさっておられる点も、印象的でした。
すなわち、経営デザインシートを使って将来を構想するにあたっては、
「資源を洗い出し(棚卸し)精緻に分析」→「それらの因果関係を詳細に把握し」→「未来を精緻に分析して予測し」→(以下省略)というように、予め設定された工程をlinearに積み上げていくウォーターフォールではなくまず全体(Big Picture)を描いて、発想を飛ばしつつnon linearで進めていくアジャイルで取り組むのが適切ということです。
これについては、この後に場を移して開催された、
●経営デザインを語る夕べ(BMIA地域ビジネス分科会・関西dラボ 共催)
でも、何度も(しかもアツく)唱えておられました(私が驚くほどアツく)。

その他には、大阪万博のテーマにこめた思い、そしてSDGsへの取り組み等、私たちが未来を描くにあたって役立つ知見も示していただきました。

井上朋宏代表から研究会の今後の活動について等説明があった後、
締めは、やっぱりこれですよね 🙂 

みなさん、経営デザインシート、活用してくれますか?

Yeah!!!
100人の参加者が、気合を入れてのyeah!三連呼で、誓いをたてたのでした!

この後は、前述のとおり場を移し、住田さん、下萩原さんを囲んでの「経営デザインを語る夕べ」。

住田さんには、「経営デザイン研究会」外部シニアアドバイザーとして、今後もいろいろご相談させていただけることとなりました。
本当にありがたいことです 🙂

尚、住田さんは、知的資産経営の祖として知られる方ですが…
その知的資産経営のあり方について、そして、経営デザインシートの活用にあたって、くれぐれも留意していただきたい点等について、さすがの私もビックリするほど、アツくアツく語っておられました(くれぐれもウォーターフォールではなく、アジャイルで取り組んで欲しい等)。
その具体的内容については、できますれば、どうぞこの日ご参加いただいた方々にご確認ください。

私は、経営デザインシート誕生の背景には、3つの文脈があると認識しています。
1.知財の文脈
2.イノベーションの文脈
3.統合報告の文脈
です。この3つの文脈が相互作用しつつ、「価値デザイン社会」が共創されると理解しています。ちょうど、
●“知財”を活用して“イノベーション”を構想(実現)し、“統合報告”でディスクローズ(マネージ)する
という統合的な文脈の表現もできようかと思います。
私たちは、イノベーションの文脈から経営デザインシートにたどりつきましたが、今後は、他の文脈もしっかりと学び、そして、より高い視座で共感しあえる他の文脈の方々との“共創”にも積極的に取り組んでいきたい…今、そう思っています。

どうぞ、ご期待ください。
それでは。

*経営デザインシートの概要についてはこちら、その描き方をまとめたテキストについてはこちら(入門編応用編)をご参照ください。