あまねく人にイノベーションを!
こんにちは。

かつて、ビジネスモデルキャンバス開発者のお一人、アレックス・オスターワルダー先生は、こうおっしゃったといいます(2013年11月来日時ワークショップにて)。
●ビジネスは、計画からデザインする時代へ!
それから5年の昨年、今度は、わが国政府から、こういうコンセプトが示されました。
●経営をデザインする
そう、経営はデザインするのがあたりまえの時代となったのです。

そして、2019年3月19日、ついにその日がやってきました。
●経営デザインシート×ビジネスモデルキャンバスで、わが社の未来をデザインするワークショップ
主催:価値創造デザイン協議会
共催:(一社)ビジネスモデルイノベーション協会/(一社)関西dラボ 
の開催当日です。

午後1時ちょっと前、ご参加いただく方が続々と、吹田市江坂の地に集結。

この企画は、BMIA地域ビジネス分科会活動の一環で行ったものですが、せっかくの機会、BMIA以外の多方面の方々にもご参加いただきました。
そのご参加くださった方々の属性内訳は、
①関西の中堅・中小企業の経営者、幹部の方(13社)
②地域支援機関/金融機関/教育機関(21機関)
③BMIA会員
の総勢60名となりました。関西だけでなく、首都圏、さらには東北、九州からのご参加も少なくなく…感激しました 🙂

今回は、当日の熱気を感じ取っていただきたく、あえて、いつものような「お顔部分のニコちゃんマーク」を外して(ご参加者のご了解は当日得ていますので)お伝えいたします。

スタートはもちろん、これですよね 😉 

気合い十分です!

今回のゴールイメージはこれ、

経営デザインシートもビジネスモデルキャンバスも、デザインツールです。
分析ツールではなく、ましてや、どこかに提出する書類でもなければ、点数付けの評価・審査シートでもないわけです。
デザインツールということは、その取組プロセスは、20世紀のビジネス社会において強く求められた、直線的に「正解」を導き出す「論理・分析的プロセス」ではなく、非直線的かつ反復的にスパイラルアップしていく「直観・仮説推論プロセス」が妥当となります。
このワークショップは、そのデザインプロセスを体感し、身につけるきっかけとしていただくプログラムのプロトタイプ版として位置付け、開催されました。

当日は、こんなスケジュールでの進行でした。

ワークショップ本体は13時〜18時の5時間、その後、お時間の許す方40名強参加の意見交換会を行いました。

まずは、経営デザインシートの源流と言える内閣府知的財産戦略推進事務局から、このワークショップのためにわざわざ来阪していただいた高橋佳子参事官補佐から、経営デザインシートにこめられている思い(開発された時代背景・経緯・目的etc.)をご説明いただきました。

穏やかな口調の中にも、源流だからこその、アツいスピリッツを感じることができました。
源流にふれることは、本当に大切なことです。

その後、私・Okadaの方から、経営デザインシートとビジネスモデルキャンバスとの関係性等、少しだけ(かなり?)理論的な観点から、「ここはおさえておいてください!」という点をいくつか、ご説明させていただきました。

実は、経営デザインシートとビジネスモデルキャンバスは、こんな感じで連結すると、お互いの長所がまるで化学反応をおこすような感じで、単独ではなかなか実現が困難な効果を発揮します。

このイメージ図をブログで説明すると、とんでもないボリュームになりますので詳細は省きますが、要は、未来構想をテーマにしての、暗黙知−形式知軸の上で、連結させるのです。
経営デザインシートもビジネスモデルキャンバスも、ストーリーボードと見立てるととても活用の幅が広がるのですが、前者は形式知に近い、かつ、比較的スパンの長い時間軸のストーリー、ビジネスモデルキャンバスは、その長い時間軸の個々のシーンを構成する、より短時間軸のストーリーボード(区別するために絵コンテ)と言えようかと思います。

時間的スパンの異なるツールを連結させることで、暗黙知としてうまれる未来構想とそこに至る進化ストーリーを、より効果的に形式知方向へ表出化させることができます。
ここに、両者を連結させる、最大のベネフィットがあります。

*(ご参考)ストーリーボード/絵コンテは効率的かつ効果的にストーリー(物語)として時間を構造化させることを可能にするツールと言えますが、物語には、個々ではバラバラのプロットをつなぎあわせ、全体として一貫性のあるひとつの筋書きとして構造化する“統合形象化”機能があります。ここでふれたベネフィットは、その機能によるところも大きく影響してのものと理解しています。

ちなみに、同様の組み合わせは、様々なシーンでも適用できます。たとえば、下記のような分野です。

事業承継、なかんずく、後継者と当代が一緒になって未来を構想する際、このスキームは最も威力を発揮するでしょう。
ちなみに、上記右側の画像は、一昨年、京都府よろず支援拠点さんで行われた後継者向け講座の最終日での一コマを加工したものです。この時は、後継者の方々にビジネスモデルキャンバスのみを使って、当代さんの目の前で未来構想をご発表いただきましたが、経営デザインシートとジョイントさせると、それがより効果的に行えるでしょう。

他にも、こんな感じで…

上記にはありませんが、個人のキャリアデザイン分野でも、かなり効果的でしょう。

あともうひとつ、経営デザインシートとビジネスモデルキャンバスの関係において特筆すべき点としてあげられるのが、その親和性の高さです。
具体的に言うと、経営デザインシートの核とも言える価値創造メカニズムに関する記入事項と、ビジネスモデルキャンバスの9つのブロックのうち、C$/R$を除く7つのブロックとが、ほぼ符号しているという点です。言い換えるなら…価値創造メカニズムとビジネスモデルキャンバスにおけるビジネスモデルは、ほぼ同義に近いニアなものと認識することも可能です。

こんな感じです。

実際、内閣府の方からサンプル事例として提示されている「理美容向けハサミ製造企業」の進化ストーリーを、経営デザインシート、ビジネスモデルキャンバスの双方で表現、横にならべると、見事にドンピシャと言っていい関係であることが、よくわかります。

これは、両者間の連結がシームレスに行えるということを意味するわけであり、前述のベネフィットを、さほど負担感なく実現することにつながります。
もっとひらたく言うと…、「これまでの価値創造メカニズム」と「未来の価値創造メカニズム」をビジネスモデルキャンバスでデザインし、各々のビジネスモデルキャンバス自体を一枚の“大きな付箋”と見立てて、経営デザインシート上にそのままはりつけても、全くと言っていいほど違和感がないということです。

さ、理論的なことはこの程度にして…いよいよ実践です 🙂
Part2に続く…)