あまねく人にイノベーションを!
こんにちは。

時折WEB上で、「ビジネスモデルキャンバスの9つのブロックは、埋めていく順番が決まっている」ということをおっしゃっておられる方のブログ等を目にすることがありますし、リアルに「決まっているんですよね?」とのご質問をいただくことも、ごくたまにですが、あります。

結論から申し上げますと、
決まっていません
確かに、やりやすい順番の傾向はあるように私自身も感じますが、それは、あくまでもBMCを活用するシーンによって変わりますし、描き手によっても変わるでしょう。

CS–カスタマーセグメントのイメージがある程度既にある場合は、CS→VP(価値提案)と進むのが一般的かと思いますが、そうでない場合は、KR(キーリソース)からスタートした方がやりやすいケースも少なからずあります。

下記の画像は、現在、おつとめになられながら創業に向けて、一歩一歩前進してらっしゃる方とご一緒に描いたビジネスモデルキャンバスです。

ビジネスの輪郭がまだボヤけている場合のコツは、順番にこだわらず、まずは、頭に浮かんだものを、とにかくどこかにペタペタしてみることです。この段階では、まだストーリー性を考えずに、とにかくペタペタがポイント。
そうこうしているうちに、ビジネスモデルキャンバス自体が有する「関係性デザイン機能」の効果で、そのバラバラの付せんがつながりを持ち始めたり、新たな「アイデア」が浮かんできたりします。それをまた、ペタッとする。

そして、頃合いをみて、思い切って仮にCSのブロックに何か顧客イメージらしきものを置いてみる。
それは、できればご本人がハッピーにしたいような顧客である方がいいのですが、そもそも、そのイメージがわかないので、モヤモヤを抱えていらっしゃる方が多いので、そういった場合は、多少の突飛さも許容しつつ、とにかく「なにか」を置いてみて、そしてまた、全体を俯瞰しながらペタペタしていく。
今回のケースも、そういったプロセスを踏んでいきました。

不思議なことに、このペタペタを繰り返していると、最初はボワーっとしていたCSのイメージが、割とクリアになりはじめることがよくあります。
そうなったら、今度は、Value Proposition Canvas(VPC)の出番です。

顧客のJobs/Pain/Gainを挙げていき、それに対応するアイデアを発想していく。
ポイントは、「状況」をビビッドにイメージしつつ、顧客心理に寄り添うこと。

そして、VPCで得た学びをもとに、再度BMCを使い、ビジネスモデルをデザインしていく。

今回は、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップと、時間が包含されたビジネスモデルのデッサンができました。
画像中の数字が、その時間軸をあらわしていますが、これは言ってみれば、戦略シナリオでもあります。

もちろん、今回描いた事業の構造はあくまでもデッサンであり、かつ仮説。
今後、検証–学び–仮説再設定のサイクルを繰り返す中で輪郭もクリアで、かつ強いビジネスモデルへと進化させていく必要があります。
そのダイナミック・ステアリングの前進において、ビジネスモデルキャンバスは頼りになるお供となります。

一見とてもシンプルなつくりですが、とっても奥が深い・・・
それが、ビジネスモデルキャンバスです。

それでは。

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