あまねく人にイノベーションを!
こんにちは。

昨日11月11日は、「ビジネスを“創る”起業家のための創業塾2017」(通称・尼崎ver.)第2講でした。
第2講のお題は「お客さんのハッピーをうみ出し、届ける仕組みを考えましょう」、具体的には、前半がライフストーリーインタビューを用いての「リソース・マイニング」、後半が、お客さんとの接点をデザインする「カスタマージャーニーデザイン」です。

スタートは、おなじみGood & Newから和やかに 🙂 

実は前回、宿題が出ていました。
それは、「第2講の終了時に感じていた(はずの)モヤモヤを、第3講まで抱き続けること」というもの。
だったのですが・・・皆さん、第2講もしっかり肚落ちさせておられたようで・・・^^;

その大切なモヤモヤについて理解するのにピッタリなのが、このウーリ・アロン氏のTEDです。

今回も皆さんには「モヤモヤに感謝する会」に強制入会していただきました 😉 

さ、ライフストーリーインタビュー(セルフver.)へ。
これについては、後半に登場するカスタマージャーニーマップ同様、世界最強の発想法(と少なくとも私は確信しています)「フューチャーマッピング」のエッセンスをちょこっとだけ、使わせていただきます。
実は私、その認定ファシリテーターなんです。

まずは、ご自身の人生に向き合っていただきます。

人の記憶は、感情と紐付けされていると言われます。
そのメカニズムを活用し、ご自身の内にある「記憶の格納庫」とのアクセス性を、まずは上げていただきます。

人生を語り合う・・・案外、気持ちいいものです 🙂 

この段階でも何らかの気づきを得られる方もいらっしゃいますが、ライフストーリーインタビューを行うこと自体が目的なのではありません。
ライフストーリーインタビューは、これ↓を行うための、環境設定なのです。

一旦、目の前に自分の人生を置く(そのために、チャートにアウトプットしていただく)ことで、自然に自分の内面と客観的に語り合うことがやりやすくなります。
その状況で、いくつかの質問を自分で自分に投げかけ、気づきをアウトプットしていく、仮にどんな小さなことでも。そして、それを再度客観的に眺めてみる・・・。
その繰り返しの中で、自身の深いところにあるリソースにアクセスしていく。

一般的に、創業塾・スクールでは「あなたの強み・弱みは何ですか?」ということで、ワークシートに記入させるカリキュラムが盛り込まれているケースは非常に多いようです。
このライフストーリーインタビューを経由してのminingの対象は、そういったものとは異質です。
「あなたの強み・弱みは何ですか?」と問われて、答えられるレベルのことは、多くの場合、既にわかっている場合が多く、あえてこういった場で取り上げる必要は、さほどないのではと私は思っています。
大切なのは、そのずっと奥にある、根っこの想いであったり、自身でさえ気づいていないリソースだったり・・・。
もっと大切なのは、過去−現在、そして、未来へと続く(上がったり下がったりしつつも)一貫性のある意味・テーマを創ること(見出すのではなく創る−センスメイキング)。
それに関するきちんとした考察を飛ばして、「やりたいこと」「やれること」「できること」の重なるところ云々を問うても、出てくるものは表面的なものであることが多いのではとも。

こういった深い内省プロセスを日常の中で繰り返す中でわきあがってきた思い−「我は、誰の、何のためにあるのか」ということに関する気づきこそが、ご本人ならではの最大のリソースとなる。
このプロセスは、言わば、U理論の谷を降りるプロセスとも言えるでしょう。

よく「創業する時は経営理念が大切、だから経営理念をまとめましょう」とおっしゃっておられる支援者の方もいらっしゃるようです。
私はそれを否定するつもりはありませんが、むしろ「創業前後の混乱時に、軽々に経営理念というカタチとしてまとめる必要はない」と唱えています。
むしろ、こういった内省の具体的プロセスを経ずしての軽々な言語化は、リスキーであるとも。

今回ご紹介したプロセスがベストというわけではなく、他にもよきものがあるでしょうが、少なくともこのプロセスは、私のこれまでの実務経験から得た学びを結集させた、現時点で私のできうる中では、ベストのものと考えています。
皆さんが、今後、折あるごとにこのプロセスを思い返していただけたら・・・シアワセです 🙂

ちょっと解説が長くなりましたが・・・

後半は、同じく、フューチャーマッピング(Basic ver.)のエッセンスをちょこっと使ってのカスタマージャーニーマップ。
皆さんには、いくつかあるVer.の中から「おもてなしver.」に実際に取り組んでいただきました。

手順は、ライフストーリーインタビューとほぼ同じ、しかも、120%ハッピーのセリフのつくり方も第2講でやっていましたので、皆さん、結構スラスラと。

カスタマー(サクセス)ジャーニーは、今、マーケティング分野では最重要概念と位置付けられています。
ただ、一般的に知られているものは中小・小規模企業にとって、とても使いづらい、というか事実上使えない・・・。ましてや、これから創業する方、なかんずくアナログビジネスの場合は・・・。
今回ご紹介した手法はその点を大きく改善した実務的なもの、今後、折にふれ、活用していただきたく思います。

この後、応用編として「誰でもできる、カンタンチラシテク!」と、尼崎女性創業スクール第一期生で、今や、関西では、いえ全国レベルで高い注目を寄せられている株式会社ふたごじてんしゃ中原美智子さんの、「ふたごじてんしゃ物語」を皆さんにごらんいただきました。

この動画は、同社が現・製造パートナーであるOGK社さんと出会う前に、中原さんとご一緒に紡いだ、いわば「ふたごじてんしゃ物語」原点ver.?とも言えるものです。
同社ではその後、画像・動画も編み込んだ別ver.をお使いになられましたので、今では希少性のあるもの?となっているかもしれませんね。 😉 

内容としては、当時(2015/11)未だ出会えていなかった製造パートナーと、そして応援してくださる方々にこの輪につながっていただくことを呼びかける内容となっています。
その後、共感の輪の拡大が加速し、OGKさんとの出会いも訪れたとお聞きしています。
この物語も、実は、今回の第3講前半で取り組んでいただいたライフストーリーインタビューがあったからこそ生まれたものと言えるかもしれません。
ということで、今回皆さんにご紹介しました。

聞くところによると、間もなく念願の製品版「ふたごじてんしゃ」が発売開始になるとのこと、今後の同社のますますのご活躍を願ってやみません。

最後に・・・
茨木ver.に続き、イクリンこと、生島正さんからクラウドファンディングについて、語っていただきました。

私の知る限り、今、クラウドファンディングの実務において、生島さんの右にでる人はいないでしょう。そのお話は説得力があり、とても興味深い貴重なものでした。

さ、これで、ビジネスモデルキャンバス上にある9つのブロックのうち、C$/R$以外の7つについては、そのディティールをデザインするにあたってのプロセスをひと通り体験していただきました。
次回は、メインファシリテーターを、香川会計事務所香川晋平さんにバトンタッチし、「数字とお金」のところをおさえていただきます。

それでは。